08年04月11日 G7
14日の朝一はユーロドルが100pp以上下落して始まるなどドル買い反応。
約4年ぶりに為替のメッセージ変更となるなどドルに対するメッセージが
盛り込まれていた。この為替のメッセージは実に長時間の会議となり
足並みの違いをうかがわせている。
長時間会議の内容は、
欧州側とくに英国がドル安について『2月以降の急激な変動は好ましくない』
と主張。会議の最初は、
米・カナダ・英 VS 欧 でスタート。
米国・カナダ・英は為替はファンダメンタルに即して動くものだから仕方ない
というのが根拠だった。特に英国が反対したと伝えられている。
紛糾した後、FRBが最終的に妥協したポイントは
『ドル安がインフレ率を押し上げている』ということらしい。
G7に対する専門家の意見のほとんどは継続的な利下げを続けるドルに
対して短期的な戻りがあってもドル安の流れは変わらない、ということ。
以下、G7関連発言集のまとめです。
ウェーバー・ドイツ連銀総裁 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバー
「インフレの高止まりを考慮すればECBによる利下げの余地はない」
「現時点では利下げを論じる余地は全くない」
「余地があるとする国際通貨基金(IMF)とは見解が異なる」
「欧州やドイツの成長見通しに関するIMFの悲観的な見方にも同意しない」
「(インフレ圧力の高まりについて)しばらく続く」
「3月に3.5%の伸びとなったユーロ圏のインフレは年内3%を超えて推移し、その後低下する」
「3月の上昇で物価はピークに達した可能性がある」
コンスタンシオ・ポルトガル中銀総裁 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバー
「国際通貨基金(IMF)による2008年のユーロ圏成長見通しは悲観的すぎる」
「(IMFの見通しが悲観的かとの問いに対し)そう思う。08年のユーロ圏成長率は
(IMF見通しを)若干上回るだろう」
額賀福志郎財務相
「(G7での世界経済と金融市場についての議論の中で)為替についても
当然意見交換した」
「金融の安定化に向けてG7各国はそれぞれの国の状況に応じて適宜適切に
対応することが望ましい」
「ポールソン長官は、米経済は減速しているが基本的な成長を維持し、将来
必ず拡大すると言った」
「日本経済は、足踏み状態だ」
ユンケル ルクセンブルグ首相兼財務相
「過度な為替変動は歓迎出来ない」
「過度な為替変動は経済成長に影響与える」
「為替相場の最近の動きは好まない」
「ブッシュ米大統領は「強いドルを好む」と明確にしている」
「IMF(国際通貨基金)によるユーロ圏の経済予想は悲観的過ぎる」
「欧州委員会の見通しはもう少し楽観的だ」
バートン・アジア太平洋局長 国際通貨基金(IMF)
「アジアの一部諸国でみられるインフレ高進の抑制が、各国政府にとって経済成長の
減速よりも優先課題になる」
「株式市場は大幅に下落しており、新規株式公開(IPO)を通じた企業の資金調達力に
影響を及ぼしているが、アジア太平洋地域でクレジット収縮の徴候はみられていない」
「米経済の住宅市場に絡む減速の影響をまったく受けずに済むことは不可能だ」
「アジアは良好な成長を維持しているが、現在の減速から完全に切り離される
公算は小さい」
「インフレは、商品市況高による物価の大幅上昇が、ここにきて二次的影響と
なって表れている」
「インフレは地域全般で大幅に上昇している。これは当初食品と商品市況の急上昇を
反映していたが、足元では二次的影響も表れ始めていることがうかがえる」
「インドネシアやベトナム、インド、スリランカなどの国でコアインフレが大幅に
上昇し始め、卸売物価も多くの国で上昇していることは、利益率の圧縮や
インフレ圧力上昇の可能性を示唆している」
「インフレは非常に大きな問題にありつつある」
財務省筋
「為替について(額賀財務大臣がポールソン長官との)やりとりはあった」
「(中国の為替制度について議論したかとの質問に)中国については(話は)出なかった」
G7関係者
「声明文では米経済をよりネガティブなものとして位置付ける可能性」
「米経済のリセッション(景気後退)には言及しない可能性」
「新興市場の見通しは引き続き良好とする可能性」
欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨問題担当)
「経常収支の不均衡は世界経済が直面する最大の課題の1つであり、ユーロ圏は
すでに調整の痛みを必要以上に負っている」
「ユーロは1999年1月の導入以来、ドルに次ぐ主要通貨に発展した。今後も
国際的なステータスは高まる」
「ユーロの国際的なステータスの上昇は、それによる恩恵以上に、新たなリスクや
責任をもユーロ圏にもたらしている」
「ユーロはすでに、現在も進行中の世界的な調整プロセスに公平な負担を超えて
大いに貢献してきた」
「ユーロ圏の経常収支は全般的に均衡化しているが、無秩序の調整は(ユーロの)
対ドルレートの一段の上昇という形でわれわれの経済に過度の影響を及ぼす
可能性がある」
「ユーロは過大評価されている」
ポールソン米財務長官
「われわれの強いドルへのコミットメントを、強い調子で再度述べる。長期的な
ファンダメンタルズは強固で、このことが通貨の価値に反映されていくだろう」
「(G7での)各国財務相の見方は、為替相場が経済ファンダメンタルズを反映して
いる方が良いというものだと思う。中国が今、市場で決定される為替レートを
導入する用意があるとは誰も考えていないと思う。しかし引き続き進展させていくとは
考えている」
「過去3―4カ月の人民元の上昇を見ると、中国は進展しており、G7の場で
指摘され評価された」
「昨年8月以降、金融市場の緊張が続いている。市場でリスクの評価や再評価が
行われており、この期間はいつも困難な状態だ。この先もさらに問題が待ち構えて
いるかもしれない。この時期のわれわれの取り組みにおける最重要課題は、
実体経済への影響を抑えることだ」
「米国の長期的な経済見通しには自信がある。しかし住宅市場の調整、そして
高水準のエネルギー価格と金融市場の混乱は、経済成長を圧迫している。
かなりの短期的な下振れリスクを考慮し、われわれは措置を講じている」
「国際的な協力と協調は見事だった。世界的な課題に対応し強固な措置を講じるため、
われわれは緊密に取り組み、今後も取り組み続ける。(米大統領直属の作業部会は)
国外の当局者、財務相、中央銀行と金融安定化フォーラムを通じて金融市場の
問題に緊密に取り組んでいる。共に取り組むことで、市場規律の強化、リスク管理
の向上、資本市場の効率性と安定性を向上することができる」
トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁
「個人的にはこのテーマ(為替)に決してコメントしない。非常に敏感な問題だ」
「(G7の為替声明をどう理解すればよいかとの質問に対し)詩のようなものだ。
それ自体が物語っている」
「(ECBが金融政策と流動性対策という2つの異なった任務をどのように遂行しているかを
説明する中で)4%(の政策金利水準)は中期的に物価安定に貢献する」
「(ECBが利下げするという暗黙の合意がG7声明の為替に関する言及に
つながったのかとの質問に対し)そうしたことはまったくない」
「われわれはまた、金融機関は100日以内にリスク管理慣行を強化し、ストレステストを
行うべきだと述べた」
ウェーバー独連銀総裁
「(金融市場の)調整の主な部分が終わったことを示す最初の心強い兆候が見られる。
若干の光明が地平線に見えている。しかし、後退の可能性も決して除外できない」
「2007年全体と08年第1・四半期の損失の合計は約2250億ドルだ。
約300億ドルがドイツ(の銀行)の分だ」
カーニー・カナダ中銀総裁
「カナダ国内の緊張は大半の主要国ほど切迫していない」
「カナダの状況は偶然の産物ではなく、われわれの金融システムの非常に力強い
ファンダメンタルズの賜物だ」
フレアティ・カナダ財務相
「米国が景気減速と金融混乱の震源地だが、カナダを含め、G7諸国で影響を
免れられる国はない」
「問題が一夜にして消えることはないが、多くの国でとられた大規模な行動と、
われわれすべてがきょうここで合意した取り組みが相まって、短期、長期ともに
有意義な結果が出てくるだろう」
G7メッセージ集
<08年4月・ワシントンG7>
「前回の会合以降、主要通貨において時として急激な変動があり、われわれは
これらが経済および金融の安定へ与え得る影響について懸念している。われわ
れは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われわれは、人民元
の柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎しているが、経常収支黒字が増加
し、国内インフレが上昇していることに鑑み、人民元の実効為替レートのより
速いペースでの増価を促す」
<08年2月・東京G7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望
ましくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。
われわれは、人民元の柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎しているが、
経常収支黒字が増加し、国内インフレが上昇していることに鑑み、人民元の
実効為替レートのより速いペースでの増価を促す」
<07年10月・ワシントンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。我々
は、人民元の柔軟性を向上させるとの中国の方針を歓迎しているが、経常収支黒
字が増加し、国内インフレが上昇していることに鑑みれば、人民元の実効為替レ
ートのより早いペースでの増価を許容することが必要と強調する」
<07年4月:ワシントンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額
かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レ
ートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい」
<07年2月:エッセンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額
かつ増加する経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の実効為替レ
ートが、必要な調整が進むように変動することが望ましい」
<06年9月:シンガポールG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額
の経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔
軟性が、必要な調整が進むためには望ましい」
<06年4月:ワシントンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。多額
の経常収支黒字を有する新興市場エコノミー、特に中国の為替レートの一層の柔
軟性が、必要な調整が進むためには望ましい」
<05年12月:ロンドンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われ
われは、中国の通貨制度の更なる柔軟な運用が、世界経済および国際通貨制度を
よりよく機能させ、より安定させることを期待する」
<05年9月:ワシントンG7>
「われわれは、為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を
再確認した。為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済成長にとって望ま
しくない。われわれは、引き続き為替市場をよく注視し、適切に協力する。われ
われは、最近中国当局が自らの為替レート制度において更なる柔軟性を追求する
こととした決断を歓迎する。われわれは、より市場を志向したシステムを更に進
めることが、世界経済および国際通貨制度をよりよく機能させ、より安定させる
ことを期待する」
トラックバック URI : http://www.kawasetorihiki.com/fxblog14/wp-trackback.php?p=59
コメント (1)