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現在位置:トップページ >> 岡安盛男の『為替で一喜一憂』

2008/7/4 金曜日

調整のドル買戻しだけ

予想通り0.25%の利上げと、更にはトリシェ総裁のコメントでした。バイアスという言葉を使っていましたが、先行きのことは分からないということで、利上げがないとも言っていません。現に債券市場では年内更に0.25%の利上げを既に織り込んでいるようです。結果的にドルが買われたのはマーケットがドルショートであったということだけだと思います。今日は独立記念日で市場は動きにくいところですが、未だドルショートは残っているように見えます。特にユーロドルのユーロロングがもう暫らく上値を抑えてくるとみています。下値は1.55ミドル近辺までの下げも目先はありそうですが、しかし時間の問題でドルは再びじり安とみています。ドル円も107円台前半までの戻しが精一杯のように思います。

ランド円がしっかりとした動きが続いていますが、14円の上値は重そうです。昨日の株式市場では、TOP40がマイナス870ポイント以上の下落となり、3月以来の安値を付けたものの、対ドルではランドはしっかりとした動きでした。米国の自動車販売の悪化やジンバブエ情勢が足を引っ張り、また南ア最大の鉱山労働組合のストが8月6日に予定されています。世界最大の白金生産である南アが生産をストップすれば、貴金属市場、特に金への影響が大きく、これがランドにどう影響するかは難しいところですが、株価下落がランドの下落には今のところ影響はありません。13円前半から14円のレンジ内での動きはまだ続くとみます。

2008/7/3 木曜日

恐い状況は目の前

昨日の一連の発言を纏めてみます。結構恐い状況が見えてくるのでは。
トリシェ議長:「我々が断固として行動しなければ、インフレが爆発的に加速する恐れがある」
ポールソン財務長官:安定を脅かさないように金融機関の破綻を乗り越えられる解決手段を確立する必要がある。規制当局に、短期的な混乱の影響を限定するための緊急権限を与えることが必要」と発言。
ブッシュ大統領:「政府は強いドル政策を常に堅持してきた」
といった発言を聞いて、非常に危機感を感じたのですが、いろいろと他のコメントを見ても「予想の範囲内であり、市場の反応は限定的」としているところが多かったようです。確かに色々な質問などに答える中での発言であり、その前後も見てみる必要もあります。
しかしこの一連の発言を繋ぎ合わせると、まるでドルの暴落は目の前に来ているようにも思えてきます。例えば想像ですが、前日のトリシェ議長とポールソン長官の話し合いにおいて長官が「今回のECBの利上げは、ドル下落の懸念があるので今回は止められないか」、と聞かれたトリシェ議長は「欧州のインフレは今利上げをしないと爆発的に高まる可能性がある」と応えたとします。ポールソン長官は「そうであれば利上げ後には、何とかドルサポートに繋がる発言をしてくれないだろうか」と言ったかどうかはわかりませんが、今日はドルを売り込むと、思わぬ発言が出てくることも考えておく必要があるのでは。
また、ブッシュ大統領は原油価格上昇に絡んでのドルサポート発言ではあったかも知れませんが、ポールソン長官の金融機関破綻の対策の話と合わせて考えてしまうと、破綻が起こる事を前提にドルサポート発言をしたのかではと勘ぐってしまいたくなります。
昨日のADP(給与明細書作成代行会社)発表の米6月雇用者数が予想を上回る減少、GMの破綻の可能性、メリルの58億ドルを超える評価損の話など一つとってもドル売りに繋がるような材料が溢れてきています。米国は一体どうなってしまったのでしょう。
そんな中で今回の一連の発言をみると、それを裏付けるものと見てしまうのも致しかたないようにも感じました。
今日はECBや雇用統計の発表を控え、株価の下落や原油価格が注目されます。
ドルが弱いことは既に市場は感じており、今日は米国独立記念日前で相当マーケットは振れそうな気がします。ただし一旦ドルを売り込んでから、一気に買戻しが入るリスクも可也あるように思えます。
ドルショートに対してはタイトなストップを入れるか、若しくはドルの買戻しを狙うのも面白そうです。

気になるニュース
米国:個人破産を含む6月申請件数は前年比23%増、年間で100万件を突破する可能性あり。
ポールソン長官:米住宅価格は一段と悪化の可能性
エビ養殖詐欺:3万5千人から849億円!!どうして??

2008/7/2 水曜日

危なっかしいドル

昨日は会社を終えて外を歩いていると、何故かとても懐かしいような不思議な心地よさを感じました。湿度や気温、それに太陽の光などの具合なのでしょうか、まるで小さい時分銭湯からの帰り道に路地裏を歩いた感覚にも似たような気分が蘇りました。梅雨の季節でもこんなに気持ちの良い日があるのかと、何だか勿体なく感じ、ついつい扉の開け放った焼鳥屋に誘われて、ふらふらと入ってしまう自分が好きです。
さてドルは何となく危なっかしい動きの一日でした。イスラエルがイランを年内にも攻撃するとの報道で原油価格が上昇し、米株価も一時160ドル以上の下落となり、ドル円も105円手前まで売り込まれました。しかしGMやシティー、リーマンなどの株価が盛り返してきたことで、何とか株価もプラスで終わりドルも往って来いとなりました。クロス円も豪ドル円の売りなどで上値の重い展開が、そのまま全体に売り圧力となると思われましたが何とか踏ん張ったといった感じでした。ポールソン長官とトリシェ議長の話しあいがあり、介入の警戒感が強まったようですが、ドルが急落しない限り出てくることは考えにくそうです。明日のECBではまず利上げを行うのでしょうが、この会合があったことで利上げが連続したものになるという発言は出にくいのではないでしょうか。ただ今後もインフレに対する警戒は継続といった発言くらいは出そうですが。独立記念日を前に大きくポジションは膨らましにくく、目先レンジ内での動きは続きそうですが。

気になるニュース
日本版政府系ファンド:政府の全額出資で公的年金の一部10兆円を運用。
ムーディースが債務担保証券の一部で誤認格付けを認める。
米銀行株、軒並み低迷:シティーの時価総額が邦銀を下回る。

2008/7/1 火曜日

クロス円は

ドル売りの目立つ動きでしたが、結局ドル円はほぼ往って来いとなり、ユーロドルでは寧ろドル上昇の動きとなりました。結果的には円キャリーの巻き戻しが円を押し上げた結果となりましたが、それはムーディースが日本の国債の格付けを「A1」から「Aa3」に1段引き上げたことも大きかったようです。今日もそうですが昨日は新規外債投信のクロス円買いが出るとの話もあり、朝方は買い気が強かったものの、逆にクロス円は全般的に押し下げられたことで、寧ろ上値の重さを確認したような感もあります。先週は米国株価の下落がクロス円の売りを加速させ、円の買い戻しは今後の米国株価の動向が大きく左右しそうですが、市場はまだ本気で売りに出てくるにはコンセンサスが出来ていないようにみえます。今日は昨日とほぼ同レベルで始まったドル円ですが、跳ね返されただけに、売り込みにくく、さりとて買うわけにもいかずといったところで、静かな展開となりそうです。今週のECBの金融政策発表では連続の利上げを示唆するかどうかでもう一段のドル売りが激しくなりそうです。ただポールソン長官とトリシェ議長の会合もあり、ドル急落に対しては口先介入もありそうで、予断を許しません。
 

気になる記事
仏大統領:円と人民元は弱過ぎる。ユーロは30%過大評価
IMF:外貨準備占有率 円:3.1%(上昇)、ユーロ26.8%(上昇)、ドル63%(過去最低)
リーマンブラザーズの身売り観測⇒株価8年ぶりの安値
 

2008/6/30 月曜日

今週の注目

米国株価の下落が止まらず、原油価格の上昇は最高値更新、ドルと円キャリーの巻き戻し的な売りの動きも出始めています。最近は米国株価が下がっても円キャリーの動きが活発となっていたのは、本邦からの新規外貨投信の買いの影響もあったように思います。まだボーナス時期からのその手の買いは続くものとも思いますが、どうもいつものように買い終わった途端に下落の始まるようなことになりかねません。FXは、そんな時にすぐ逃げられるというメリットがあります。しかしまだまだ、FXは認知度が低くリスクの高い商品というイメージがあり、歯痒い思いがします。
さて今週の相場展開は結構面白そうです。特に注目はECBと米雇用統計とみられております。欧州の利上げは既に織り込み済みで、この利上げが連続性を持つかというところが焦点となりそうですが、既にECBサイドからはどうも連続性を持たないという意見が出てきているだけに、寧ろ一旦利上げ後はユーロ売りとなるかもしれません。米国の失業率は前回5.5%と大きく予想を上回りドル売りの切っ掛けともなっただけに、今回も注目はされますが、売りこむにはタイミングが難しそうです。注目はどうもそれらよりも、やはり原油価格の動きと、米国金融機関の評価損失や格下げなどからの金融不安再燃に繋がるような材料かも知れません。それによって米国株価が更に下落すればクロス円の更なる売りが出るかもしれません。今週はアップダウの激しい週となるのか、一方的な相場となるのか。今日もラジオ日経ではその点も含んでお話ししていきたいと思います・

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岡安盛男
プロフィール
アムロ銀行(現ABNアムロ銀行)、RBC、ウエストパック、インドスエズ(現カリヨン銀行)などで為替ディーラーとしての道を歩む。為替ディーラーは「黒子に徹すべし」とのポリシーを貫いてきたが、銀行を離れた現在、少しでも多くの方に為替の魅力を広めたいと思っています。
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