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2008-08-28
日本版本国送金法
徐々に骨格固まる
今年5月、読売新聞が「日本版・本国送金法」ともいえる政策を政府が検討している旨を配信、マーケットで大きな話題を呼んだ。
もちろん、当コーナーで筆者も当然フォローアップしたわけだが、その後の新聞記事などをみると徐々に骨格が決まりつつあるようだ。
ゴールデンウィーク期間中、5月4日の読売新聞は1面トップで「企業所得12兆円海外滞留、還流へ税免除検討」---などと報じた。
タイトルだけでも判る人は判るだろうが、記事を読むとこれは05年の米国で「1年限り」の時限措置として導入された、いわゆる「本国送金法(Homeland Investment Act)」とほぼ同じスキームだった。ちなみに、複数の外資系金融機関によると、05年は「本国送金法」の実施で米国の場合、最低でも年間で800億ドル規模の資金が米国へ還流した模様だという。
そんな「日本版本国送金法」だが、5月の読売報道では具体的な税制案など骨格がまだ触れられていなかったが、その後の報道をみると徐々に骨格が固まりつつある。
今月17日の日経新聞朝刊が1面トップで報じたところによると、「25%以上出資している海外子会社から受け取った配当は非課税」にする方針とされ、これが適応されれば海外展開を進める企業の大半が非課税の恩恵を受けられることになる。
一方、肝心の税率は05年の米国では従来35%だったものが最高で5・25%と大幅に軽減されたが、日本の場合はまだそこまでキチンとしたものはできていない。税収の減少を懸念する財務省との調整を入れる必要があると記事では報じている。確かに「落とし所」はなかなかに難しい。
ただし、案としては受け取り配当の一定額が非課税とするものが挙がっており、すでに同様の制度が導入されている欧州などでは9割程度が非課税となっていることから、日本の場合もその線が基準になるのではと推測されている。
いずれにしても、「日本版本国送金法」が実施されれば、前述した読売報道で12兆円、経産省の調査で17・2兆円(06年度)とも言われる海外現法が保有する内部留保が少なからず、国内へと還流されることになるだろう。為替市場における円高要因として注意する必要がありそうだ。
(鹿の角)
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